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司書のおすすめ本(子どもの本)

平成26(2014)年

  • 『氷の巨人コーリン』
    (サカリアス・トペリウス原作、スズキ コージ文・絵、集英社)掲載:『岐阜新聞』2014.12

    氷の巨人コーリンは、いつもは氷山のなかで寝ていますが、100年にいちど目を覚まし、世の中を見わたします。ある年、コーリンはクリスマスのすこし前に目を覚ましました。めしつかいのデビルキンと一緒に、ヨートゥンヘイムを何歩か歩いたのち、コーリンが足をおろしたのは、フィンランドの小さな村の近くでした。コーリンは、そこでチビッコとなぞなぞ合戦をすることになりましたが・・・ちょっとまぬけだけど、やさしい巨人のおはなしです。

  • 『ゾウの鼻が長いわけ』
    (ラドヤード・キプリング作、 藤松玲子訳、岩波書店)

    なんでもかんでも知りたい年ごろのゾウくんは、なんでもかんでも質問をします。ゾウくんの質問攻めにうんざりした大人たちは、ピシャリ、と追い払いますが、それでもゾウくんの知りたがりがおさまることはありません。そんなゾウくんは、ある日、ワニが何を食べるのか知りたくなって、リンポポ川に出かけていきました。リンポポ川でワニと出会ったゾウくんは、「ワニは何を食べるの?」と質問しますが、なんと、そこでワニに鼻をかまれてしまいます。ゾウくんの鼻はどうなってしまうのでしょうか。このほか、全部で12のお話が入っています。

  • 『とんだ、とべた、またとべた!』
    (森山京作、黒井健絵、ポプラ社)掲載:『岐阜新聞』2014.11

    高い木の上にあるおうちに住むリスのおじいさん。日も暮れて、近くであそんでいたこどもたちが帰ったころ、クマのこが木の下でなわとびの練習をしているのを見つけます。はじめは五回しかとべなかったクマのこですが、毎日練習していくうちにとべる回数がどんどん増えていきました。ずっとだまってこっそり見ていたのに、クマのこが十回とべた時、リスのおじいさんはうれしくてつい、「やったね、えらいっ!」と大声を出してしまって・・・

  • 『花曜日』
    (安江生代作、ふりやかよこ絵、文研出版)

    知らない人に親切にすることは、とても勇気のいることです。小学4年生のカヤは、困っている人がいても、知らない人なら親切にする必要はないと思っていました。しかし、同じクラスで仲良くなったルミと一緒にいるうちに、カヤの考えは変わっていきます。ルミには「花曜日(はなようび)」という秘密の言葉があるようです。カヤはそれがどんな意味なのか知りたいと思いましたが、ルミは「そのうちわかるよ」と言って教えてはくれません。「花曜日」にはどんな意味があるのでしょうか。

  • 『こぎつねボック』
    (いまむらあしこ作、鎌田暢子絵、文研出版)掲載:『岐阜新聞』2014.10

    こぎつねのボックは、みんながすることならなんでもやってみたがるおとこの子。お手伝いもいっしょうけんめいするのですが、上手にできません。とうさんやかあさんには「もういいから、あそんでおいで。」と言われ、くやしくてたまらないボックは、ある日、おこって家をとびだします。心配になった家族は、みんなでボックを探しにいきます。途中で、のうさぎやくま、ふくろうに出会い、家族はボックの思いを知るのでした。ボックのはじめての家出は、どんな冒険になるのでしょうか。

  • 『あたしがおうちに帰る旅』
    (ニコラ・デイビス作、代田亜香子絵、小学館)

    ペットショップで働かされている女の子・イヌ。もちろん本当の犬ではなく、このペットショップのおじさんがそう呼んでいるのです。イヌはずいぶん前にここに連れてこられました。前どこにいたかも、自分の本当の名前も覚えていません。おじさんに怯えながら過ごす毎日です。彼女の友達は、ハナグマのエズミと、最近やってきた喋るオウムのカルロス。ある日、イヌたちは、おじさんの隙を見て、ペットショップから逃げ出すことに成功します。「自由って、すてきだ。でも、ちょっとこわい。」イヌと二匹がおうちへ帰る旅を描いた物語です。

  • 『おさきにどうぞ』
    (森山京作、ささめやゆき絵、文溪堂)掲載:『岐阜新聞』2014.9

    公園へ急いでいたブタのこ。前を歩いていたネコのおばあさんは、「おさきにどうぞ」と言って、ブタのこに道をゆずってくれました。ネコのおばあさんは、一度も振り返らないのに、ブタのこが後ろにいることがわかっていたようでした。ブタのこは、ネコのおばあさんの笑顔と「おさきにどうぞ」ということばが忘れられません。ある日、クマさんのお家に行ったブタのこは、そこでネコのおばあさんと再会します。読み終わったあと、あたたかい気持ちになれるおはなしです。

  • 『にじ・じいさん』
    (くすのきしげのり作、おぐらひろかず絵、BL出版)

    「にじが、かかりますように。一年二くみ(そらのにじ子)」そう書かれたたんざくが、風にはこばれてきました。これを見た白ハトのクルルは、にじをかけてくれるという、にじ・じいさんを探しに行きます。にじ・じいさんは、遠い遠い山おくに住んでいました。長い間飛び続け、やっと、にじ・じいさんに会うことができたクルルでしたが、にじをかけるのはたいへんな大しごとのようで・・・?にじ・じいさんはどうやってにじをかけるのでしょうか。

  • 『やさしい大おとこ』
    (ルイス・スロボドキン作・絵、こみやゆう訳、徳間書店)掲載:『岐阜新聞』2014.8

    むかし、山の上のお城に、大おとこが住んでいました。大おとこは、ふもとの村の人々と友達になりたいと思い、たびたび村を訪れますが、彼の気持ちはなかなか伝わりません。それどころか、わるいまほう使いのせいで、村の人たちから怖がられてしまうばかりです。ある日、村に住む女の子グエンドリンは、偶然、大おとこがやさしい人であることを知ります。グエンドリンの話を聞いた村長は、「考えがある」と言いますが・・・。大おとこは村の人たちと友達になることができるのでしょうか。

  • 『べんり屋、寺岡の夏。』
    (中山聖子作、文研出版)

    小学五年生の寺岡美舟は、将来はコツコツと働いて、地道にまっとうに生きていきたいと思っている、とても現実的な女の子。そう思うようになったのは、売れない画家で、ろくに家にもいない父を見てきたからなのでした。そんな美舟の夏休みは、家業であるべんり屋の手伝いで大忙しです。買い物、草むしり、犬さがし・・・など、舞い込んでくる様々な依頼をこなしながら、美舟や、彼女の周りの人たちが少しずつ前へ進んでいく様子が描かれていきます。夏休みの読書にもぴったりのおはなしです。

  • 『どこかいきのバス』
    (井上ようこ作、くすはら順子絵、文研出版)掲載:『岐阜新聞』2014.7

    おかあさんとけんかして、家出をしたぼく。知らない道を走って、走って、とうとうすわりこんだ所に〈どこか〉行きのバスがやってきます。「ええい、どうせ家出するんだ、のっちゃえ。」バスに乗り込んだぼくは、このバスがなんだか変なことに気づきます。ほかに人は乗っていないし、バスなのにしゃべるのです。バスは潜水艇に、飛行船に、次々と姿を変え、ぼくを〈どこか〉につれていきます。ぼくの家出の結末はどうなるのでしょうか。ちょっと不思議なおはなしです。

  • 『カブトムシ 山に帰る』
    (山口進/著、汐文社)

    みなさんは、体長が三センチほどしかない小さなカブトムシに出会ったことはありますか?この本では、昆虫写真家である著者が気付いた虫たちの変化と、彼らをとりまく環境の変化について書かれています。昆虫たちは、人々の暮らしとともに変化する環境のなかで、自分の体や生活を変えて、生き抜こうとしているといいます。カブトムシが好きな人はもちろん、そうでない人も、この本を読めば様々な発見があるかもしれません。私たち人間と昆虫たちの関係から、自然環境について考えさせられる本です。

  • 『ともだちは、サティー!』
    (大塚篤子作、タムラフキコ絵、小峰書店)掲載:『岐阜新聞』2014.6

    仕事に行く父親に連れられて、夏休みにネパールへやってきた小学五年生のツトム。何日もかけてたどり着いたヤラ村で、十歳の少年・パニと出会います。父親は氷河の調査に行ってしまい、一人だけ村に残されたツトムは、パニと一緒に一ヶ月間の放牧に出ることになります。お互いの第一印象は最悪で、言葉もほとんど通じない二人ですが、果たしてサティー(ともだち)になれるのでしょうか・・・。日本とネパールの少年達の友情を描いた物語です。

  • 『時をつなぐおもちゃの犬』
    (マイケル・モーパーゴ作、マイケル・フォアマン絵、杉田七重訳、あかね書房)

    イギリスの農場で育った十二歳の少女チャーリーは、「リトル・マンフレート」という犬のおもちゃを、母親がとても大切にしていることを不思議に思っていました。一九六六年の夏、チャーリーと弟のアレックスが海で遊んでいたとき、ヴァルターというドイツ人男性に出会います。ヴァルターはかつて、戦争捕虜として、この農場で生活をしたことがあったのでした。彼と出会ったことで、「リトル・マンフレート」への母の思いが明らかになります。

  • 『トランプおじさんと家出してきたコブタ』
    (たかどのほうこ作、にしむらあつこ絵、偕成社)掲載:『岐阜新聞』2014.5

    村はずれの小さな家で犬と暮らしているトランプおじさんは、動物の言葉を話すことができます。ある日、トランプおじさんの家に家出をしたコブタがやって来ます。わけをたずねると、コブタの飼い主について悪いうわさを聞き、不安になって家を飛び出してきたというのです。町にやって来たサーカス団の中に、コブタの家で飼われていたワニがいることを知り、うわさの真相(しんそう)を確かめるため会いに行くことにします。ちょっと風(ふう)変(が)わりなトランプおじさんが、動物たちの謎(なぞ)を解(かい)決(けつ)する楽しいお話です。

  • 『ネコの目からのぞいたら』
    (シルヴァーナ・ガンドルフィ作、関口英子訳、ジュリア・オレッキア絵、岩波書店)

    小学5年生のダンテは、家庭(かてい)教師(きょうし)のドレンテ先生が発明(はつめい)した薬(くすり)で、子ネコのウェルギリウスの目を通して物が見えるようになります。しかし、ドレンテ先生が亡(な)くなり、ウェルギリウスの行方(ゆくえ)も分からなくなってしまいます。居(い)場(ば)所(しょ)を探していると、突然(とつぜん)女の子が二人組の男にさらわれる場面が目に飛びこんできたのです。ダンテは女の子を助けるため、こっそり家を抜け出しますが・・・。不思議な能力を身に付けたダンテが、このできごとを通して成長していきます。

  • 『ミサゴのくる谷』
    (ジル・ルイス作、さくまゆみこ訳、評論社)掲載:『岐阜新聞』2014.4

    カラムは同じクラスのアイオナから、保護(ほご)鳥(ちょう)であるミサゴが農場に巣(す)をつくっていることを教えられます。ミサゴがケガをしたのをきっかけに、カラムは野生(やせい)生物(せいぶつ)保護(ほご)官(かん)のヘイミッシュらの力を借りてミサゴに発信器(はっしんき)をつけ、友人たちとアフリカへ渡っていくミサゴを見守ることにしました。しかし、西アフリカのガンビアの湿地帯(しっちたい)で何日も移動していないことがわかり、不安になるカラムたちでしたが・・・。カラムがミサゴを通じて自然(しぜん)保護(ほご)について学び、様々な人々と友情を深めていく物語です。

  • 『春の海、スナメリの浜』
    (中山聖子作、江頭路子絵、佼成出版社)

    四月から四年生になる由(ゆ)良(ら)は、春休みにおばあちゃんの家で過ごすことになります。近くの海岸までスナメリを見に行きましたが、友人や両親に対して悩(なや)みを抱(かか)えている由良(ゆら)はちっとも楽しくありません。おばあちゃんはそんな由良(ゆら)を水族館(すいぞくかん)へ誘(さそ)います。そこで出会ったスナメリは、由良(ゆら)に近づいて笑(わら)いかけてくれたように見えました。そのとたん、由良(ゆら)の心は軽くなり、自然と笑顔(えがお)になっていました。由良(ゆら)の心をいやしてくれたスナメリに会いたくなるお話です。

  • 『ねずみのオスカーとはるのおくりもの』
    (リリアン・ホーバン作、みはらいずみ訳、のら書店)掲載:『岐阜新聞』2014.3

    ねずみのオスカーは、木のきりかぶの家でおとうさんとおかあさんとくらしています。雪の日、食べものをさがしにでかけたオスカーは、イースターバニーといううさぎに出会います。雪の中で春のお祭りのじゅんびをしていたうさぎは、オスカーにこういいます。「このゆきは、おさとうのゆきだもの。はるはもう、すぐそこまできているんだよ」と。「おさとうのゆき」とは、春が近づいて、カエデの木の中にあまいしるができるころにふる雪のこと。寒い冬がおわって、オスカーたちにはどんな春のおくりものがとどくでしょうか。

  • 『キタキツネのおとうさん』
    (竹田津実文、あべ弘士絵、福音館書店)

    この本を書いた竹田津実さんは獣(じゅう)医師(いし)です。北海道東部の町でウシなどの家畜(かちく)の診療(しんりょう)をしながら、野生のキタキツネのくらしを観察しています。春はキタキツネの赤ちゃんがうまれる季節。子ギツネはお乳(ちち)をくれるやさしいおかあさんが大すきです。おとうさんはあまり人気がありませんが、子ギツネのためにせっせとえさを運びます。おとうさんギツネが子どもたちとジャンプして遊んだり、狩(か)りを教えたりと、おかあさんギツネと協力して子どもを育てるようすがたくさん紹介(しょうかい)されています。

  • 『チャーメインと魔法の家』
    1102694775 (ダイアナ・ウィン・ジョーンズ作、市田泉訳、徳間書店)掲載:『岐阜新聞』2014.2

    病気の治療中(ちりょうちゅう)の魔法使いの家で留守番(るすばん)をすることになった、本好きの女の子チャーメイン。魔法使いの家では、青い小人(こびと)が現れたり、ドアを開けると王宮や過去につながっていたりと、不思議なことばかり起こります。留守番を始めてから数日後、チャーメインは希(き)望(ぼう)がかない、王宮図書室で文書を整理する仕事をすることになります。そこで、王様から宝物(ほうもつ)庫(こ)の黄金を探すよう依頼(いらい)された、魔法使いハウルやソフィーたちと出会うのですが・・・。「ハウルの動く城」シリーズの三作目です。

  • 『じゃんけんのすきな女の子』
    (松岡享子作、大社玲子絵、学研教育出版)

    じゃんけんの好きな女の子は、何をするにもじゃんけんで決めようとします。お母さんが「はをみがきなさい。」と言うと、「お母さんが勝ったらみがいてあげる。」といったぐあいです。じゃんけんをする相手がいない時は、右手と左手、タオルと石けんがじゃんけんをすることになるのですが、いつも女の子にとって都合(つごう)の良い結(けっ)果(か)になってしまうのです。ある日、女の子はとても大事なことを決めるため、ねことじゃんけんをしなければならなくなってしまいます。じゃんけんの好きな女の子のちょっと不思議なお話です。

  • 『ホッキョクグマが教えてくれたこと ぼくの北極探検3000キロメートル』
    (寺沢孝毅著、あべ弘士絵、ポプラ社)掲載:『岐阜新聞』2014.1

    写真家(しゃしんか)の寺沢さんは、仕事でおとずれた北海道の知(しれ)床(とこ)半島で、流氷(りゅうひょう)が前よりもずいぶん減(へ)っていることに気が付きます。このなぞをとくため、そして雪や氷の中での動物たちの生活の変化を知るために、北極へ探検に行くことにしました。探検隊(たんけんたい)の生活場所は長さ二〇メートルのヨット。二九日間かけて、北極圏(ほっきょくけん)を航海(こうかい)します。ホッキョクグマやアザラシなど、きびしい自然の中でたくましく生きる動物たち。地球はこうした「多種多様(たしゅたよう)な命を乗せる宇宙(うちゅう)船(せん)」であることを実感(じっかん)できる一冊です。

  • 『12種類の氷』
    (エレン・ブライアン・オベッド文、バーバラ・マクリントック絵、福本友美子訳、ほるぷ出版)

    真冬(まふゆ)の寒い朝、水たまりにはったうすい氷を足でふんで遊んだことはありませんか?この本を書いたエレン・ブライアン・オベッドさんは、アメリカのメイン州に住んでいます。そこでは冬になると小川や池がこおり、自然の中でスケートを楽しむことができます。われやすい初氷(はつごおり)から、雪がふる前の急な寒さでできた黒い氷、太陽の光できらきらとかがやくスケートリンクの氷、そして春が近づき「おしまいの氷」へ・・・。冬の季節の移り変わりとあたたかな家族のくらしを、美しい絵とともにえがきます。

平成25(2013)年

  • 『林業少年』
    (堀米薫作、スカイエマ絵、新日本出版)掲載:『岐阜新聞』2013.11

    代々の山持ちの家に生まれた喜(き)樹(じゅ)は、山を守り続けている祖父の庄蔵(しょうぞう)から後(あと)を継(つ)ぐことを期待されています。ある日、百年杉を買いたいという客が現れ、喜樹は木材の取引や伐採(ばっさい)現場に立会い、普段とは違う祖父の姿を目の当たりにします。林業に魅力(みりょく)を感じながらも、後を継ぐことには消極的な喜樹でしたが、突然、姉の楓(かえで)が林業を勉強するため農学部を受験すると宣言(せんげん)し、戸惑(とまど)いを隠(かく)せません・・・。 バラバラだと思われていた家族が絆(きずな)を再確認し、前へ進んでいこうとする物語です。

  • 『だれにも言えない約束』
    (ジーン・ブッカー作、岡本さゆり訳、中山成子絵、文研出版)

    イギリス北部の町に住むエレンは、ドイツ軍の空襲(くうしゅう)におびえながら、母親と配送の仕事をしている父親の帰りを待っていました。しかし、母親がけがをした父親の看病へ向かったため、エレンは下の階に住むネリーばあさんと暮らすことになります。そんなある日、エレンがアパートの近くの小屋に入ると、ドイツ兵が隠(かく)れていたのです。そのとき爆撃(ばくげき)が始まり、二人は小屋の中に閉じ込められてしまいました・・・。ドイツ兵との出会いが、エレンを成長させます。

  • 『夜の小学校で』
    (岡田淳作、偕成社)掲載:『岐阜新聞』2013.10

    主人公の「ぼく」は桜(さくら)若葉(わかば)小学校でしばらくの間、夜警(やけい)のしごとをすることになりました。学校に泊(と)まって夜の校舎(こうしゃ)や運動場の見回りをするしごとです。夜の小学校に一人でいるなんて少しこわそう、と思う人もいるでしょう。そう、そこでは時々ふしぎなことがおこります。運動場で大男が月を見ていたり、ウサギがスープを作りにきたり。この本は、「ぼく」がそんなふしぎな出来事を日記のようにまとめた物語です。ちょっとドキドキしながら夜の小学校をのぞいてみましょう。

  • 『この羽だれの羽?』
    (おおたぐろまり作・絵、偕成社)

    学校や公園で、鳥の羽が落ちているのを見たことはありませんか?それは、そこに鳥がいた、という証拠(しょうこ)です。この本では、身近に見られるスズメやツバメ、水辺でくらすコサギなど、十九種類の鳥の羽を紹介(しょうかい)しています。同じ鳥でも、つばさや尾(お)など体の部分によって大きさや役割のちがう羽がはえています。あなたが見つけた羽は、どこかへ飛んでいくとちゅうの渡(わた)り鳥(どり)のものだったのかもしれません。どうしてここに落ちていたのかな・・・一枚の羽から想像が広がります。

  • 『ねこのたからさがし』
    (さえぐさひろこ作、はたこうしろう絵、鈴木出版)掲載:『岐阜新聞』2013.9

    あかりとゆうたは学校の帰り道、空き地で不(ふ)思(し)議(ぎ)なかんばんを見つけます。そこへ、たからさがしの途中(とちゅう)だというねこが現れます。二人が見つけたかんばんは、たからさがしのヒントが書かれていたのです。地面に書いたまるの中の草を引きぬくと、地下への入口が現れ、見知らぬ部屋へとつづいています。部屋の中に隠(かく)されている、たからばこのカギを探し出さなければならないのですが・・・。あかりやゆうたのように、ワクワクしながら楽しめるお話です。

  • 『駅の小さな野良ネコ』
    (ジーン・クレイグヘッド・ジョージ作、斎藤倫子訳、鈴木まもる絵、徳間書店)

    ある夜、飼い主に川へ投げすてられたトラネコは、なんとか川岸にはい上がり、駅前の空き地へとたどり着きます。そこで、近くの屋敷(やしき)に暮らす少年マイケルと出会います。マイケルは、トラネコのことが気になって仕方ありません。トラネコは、ライバルとの争いや、危険(きけん)な敵(てき)との戦いの中で、生きる力を身につけていきます。そして、時折(ときおり)マイケルの前に現れるのですが・・・。人間を信じられないネコと両親を亡くした少年が、少しずつ心を通わせていく物語です。

  • 『はるかなるアフガニスタン』
    (アンドリュー・クレメンツ著、田中奈津子訳、講談社)掲載:『岐阜新聞』2013.7

    アビーはアメリカに住む女の子。学校の課題(かだい)で、外国の生徒と文通(ぶんつう)をすることになりました。文通の相手は、アフガニスタンの村にくらす男の子サディードです。はじめは気がのらなかった二人ですが、言葉も文化も自然もまったくことなる外国からの手紙を読んで、相手のことをもっと知りたいと思うようになります。 国どうしの考え方のちがいはあっても、おたがいのことをよく知れば心を通わせることができる。そんな力を感じることができる一冊です。

  • 『ゾウの森とポテトチップス』
    (横塚眞己人しゃしんとぶん、そうえん社)

    ボルネオ島は東京からおよそ四千キロのところにあります。一年中暑く、森にはゾウなど多くの生き物がくらしています。今、その森が減(へ)っています。アブラヤシのプランテーション(大規模(だいきぼ)農園(のうえん))のために森が切りひらかれ、野生の生き物の住む場所が少なくなっているのです。アブラヤシから取れるパーム油(ゆ)は世界中に輸出(ゆしゅつ)され、様々な食品や生活用品に使われています。「地球は人間だけのものではない」こと、私たちの生活と自然がどのようにつながっているのか、まず「知る」ことからはじめてみましょう。

  • 『ジャコのお菓子な学校』
    (ラッシェル・オスファテール作、ダニエル遠藤みのり訳、風川恭子絵、文研出版)掲載:『岐阜新聞』2013.6

    小学生のジャコは、小さいころから食べることが大好き。でも、算数の授業(じゅぎょう)や本を読むことは苦手(にがて)です。ある日、図書館でお菓子の作り方の記事を見つけ、一人でクッキー作りに挑戦(ちょうせん)します。すっかりお菓子作りに夢中(むちゅう)になったジャコは、近所の人のためにお菓子屋さんを開くことにしました。そして、いつの間にか算数や本を読むことも苦手ではなくなっていたのです。失敗(しっぱい)をしながらも、周りに支えられてお菓子作りを続けているジャコのように、みなさんも夢中になれることを探してみませんか。

  • 『なみだひっこんでろ』
    (岩瀬成子作、上路ナオ子絵、岩崎書店)

    るいには一歳(さい)違いのおねえさんがいます。おねえさんは、おふろのお湯が熱かったり、きらいな食べものが出てきたりすると、すぐに泣いてしまいます。そういうときは、「なみだー、ひっこんでろー」と言ってあげるのです。犬やネコが好きなおねえさんは、近所で飼(か)われている犬のゴローの様子が気になってしかたありません。ある日、ゴローに会うため、夜にもかかわらず家を出て行こうとするのですが・・・。おねえさんのことを心配する妹の気持ちが伝わってくるお話です。

  • 『ライジング父サン』
    (くすのきしげのり作、松成真理子絵、フレーベル館)掲載:『岐阜新聞』2013.5

    シンイチは小学五年生。父さんと母さん、来年一年生になる妹のアスカとおばあちゃんとくらしています。いつも夏の太陽のように元気にかがやいていた父さんが、ある日脳の病気でたおれてしまいます。アスカの入学式に出ることを目標に病院で少しずつリハビリをはじめる父さん。シンイチはそのすがたを見て、父さんがやりかけていた家の庭づくりを続けます。「あきらめないかぎり、実現するとちゅう」という父さんの言葉が、シンイチだけでなく私たちの心にもひびきます。

  • 『ミツバチとともに 養蜂家 角田公次』(農家になろう2)
    (大西暢夫写真、農文協編、農山漁村文化協会)

    ハチミツをつくるためにミツバチを飼(か)うことを「養蜂(ようほう)」といいます。角田さんの養蜂場(ようほうじょう)は群馬県の山のふもとにあります。ミツバチ一匹の体重は0・1グラム。生まれてから死ぬまでの間に、小さなスプーン一ぱいほどの蜜(みつ)を集めます。「蜂(はち)飼(か)いのくらしは花とともにある。・・・人間と花とのあいだをつないでくれるもの、それがミツバチなんです」と角田さんは言います。自然の中にとけこむ「養蜂」という仕事への角田さんの思いがたくさんつまった一冊です。

  • 『けんかにかんぱい!』
    (宮川ひろ作、小泉るみ子絵、童心社)掲載:『岐阜新聞』2013.4

    三年生になった和人(かずと)は、クラスの係をきめるときに「けんかとめ係」という新しい係を考えつきました。ところが、担任(たんにん)の中村先生は「けんかはとめるものでないぞ。しっかりとやらせるものだろう。」と言うのです。納得(なっとく)できない和人でしたが、「けんか係」として活動することになりました。ある日、隣(となり)のクラスの一樹(かずき)に何も言い返せないでいる修一(しゅういち)に、けんかになってもいいから、言いたいことをはっきり言うようアドバイスする和人でしたが・・・。自分の思いを素直(すなお)に伝え合うことの大切さに気づかせてくれる作品です。

  • 『ぼくとヨシュと水色の空』
    (ジーグリット・ツェーフェルト作、はたさわゆうこ訳、徳間書店)

    生まれつき心臓(しんぞう)が弱いヤンは、生き物が大好きで、いつも観察したことをノートにつけています。幼(おさな)なじみのヨシュと生き物を探しによく川へ行くのですが、家族は心配でなりません。ある日、広場でおばあさんが傷つけられ、その場にいたヨシュが疑(うたが)われてしまいます。姿を消してしまったヨシュを助けたいヤンですが、心臓の手術(しゅじゅつ)の日が近づいているため、どうすることもできません・・・。お互いを信じ、思いやる気持ちが、二人を成長させていきます。

  • 『桜守のはなし』
    (佐野藤右衛門作、講談社) 掲載:『岐阜新聞』2013.3

    「桜守」を知っていますか?藤右衛門さんは桜守として、いつも世界中の桜を見守っています。桜守の仕事は花がさく春だけではありません。夏は桜の種(たね)まきをして、冬は木の植えかえを行います。いつも木を見て、さわって、音を感じて、桜が元気にそだっているかを確認(かくにん)しています。 藤右衛門さんは言います。桜をみるなら、自分が好きな桜を一本だけ決めて、春だけでなく一年をとおしてみてほしい。そうすることで自然のながれを感じることができますよ、と。この春、自分だけの桜を見つけてみませんか?

  • 『おめでたこぶた その1 四ひきのこぶたとアナグマのお話』
    (アリソン・アトリー著、すがはらひろくに訳、福音館書店) 掲載:『岐阜新聞』2013.3

    森にのびる小道のほとりに小さな家がありました。そこには四ひきのこぶたが、親がわりのアナグマのブロックさんといっしょにくらしています。ある日、森からよそものがやってきました。長くつき出た鼻、するどい目つきのオオカミです。ブロックさんの助けを借りて、こぶたたちはこのピンチをどのようにきりぬけるのでしょうか。イギリスの作家アトリーは、わらべうたや昔話をもとにたくさんの物語を書いた人です。春の日の光のようにあたたかなお話の世界を楽しんでみてください。

  • 『ぼくとおじちゃんとハルの森』
    (山末やすえ作、大野八生画、くもん出版)掲載:『岐阜新聞』2013.1

    小学四年の輝(てる)矢(や)は、祖母の弟で大工のモリおじちゃんに誘(さそ)われて山小屋へ行くことになりました。しかし、木々に囲まれたおんぼろ小屋にがっかりしてしまいます。 数ヵ月後、再び山小屋を訪れると、モリおじちゃんによって見違(みちが)えるようになっていました。山小屋での生活は、モリおじちゃんの手伝いで木を切ったり、迷い犬のハルの世話をしたりと大忙しです。ある日、ハルの飼い主と思われる写真が見つかったのですが・・・。人とのつながりの大切さを教えてくれる物語です。

  • 『雪ぼんぼりのかくれ道』
    (巣山ひろみ作、狩野富貴子絵、国土社)

    奥野(おくの)郷(ごう)に住むおばあちゃんに会いたくて、家族にはないしょで家を出てきてしまった果奈(かな)。しかし、大好きなおばあちゃんは果奈のことをすっかり忘れてしまっていました。源じいさんから雪祭りの話を聞き、おばあちゃんのために「雪ぼんぼり」を作っていると、一匹のウサギが果奈の前に現れました。後を追っていくと、いつの間にか神様の通り道である「かくれ道」に迷い込んでしまっていたのでした・・・。この不思議な体験が、内気(うちき)だった果奈を成長させてくれます。

平成24(2012)年

  • 『さまざまな色と形 紅葉・落ち葉・冬芽の大研究 葉のひみつをさぐろう!』
    (星野義延監修、PHP研究所) 掲載:『岐阜新聞』2012.12

    青く澄(す)みきった秋の空の下、今年もきれいな紅葉が見られましたね。秋になるとどうして木の葉は赤や黄、茶色に色づくのかな。葉っぱは木から落ちると地面でどうなっていくのかな。葉を落とした木は、どのようにして寒い冬を越(こ)すのかな。この本にはそんな葉っぱのふしぎがたくさんつまっています。落ち葉の形から木の種類(しゅるい)を調べたり、「落ち葉トランプ」で遊んだり、落ち葉のふとんをかぶって音やにおいを感じたり、落ち葉の楽しみ方もいろいろ紹介しています。さあ、山や公園へ落ち葉観察に出かけましょう!

  • 『願いのかなうまがり角』
    (岡田淳作、田中六大絵、偕成社) 掲載:『岐阜新聞』2012.12

    主人公「ぼく」は小学三年生。近所に住むおじいちゃんの所へしょっちゅう遊びに行っています。  おじいちゃんはいつも「ぼく」だけにひみつの話をしてくれます。ある時は雲にのぼって雷(かみなり)のむすめさんとけっこんした話。またある時は運動会の玉入れの「修行(しゅぎょう)」をした話。そんなおじいちゃんは、散歩のとちゅうでまがり角にくると変わった歩き方になります。「ぼく」がそのわけをたずねると・・・。ユーモアたっぷりのおじいちゃんと「ぼく」の会話が楽しい一冊です。

  • 『ジェニーとキャットクラブ』
    (エスター・アベリル作・絵、松岡享子・張替惠子共訳、福音館書店) 掲載:『岐阜新聞』2012.10

    黒ネコのジェニーが住むティンカーの家の庭では、キャット・クラブというネコの集まりがあり、個性豊かなネコたちが会話を楽しんだり、踊(おど)ったりしています。ジェニーはその様子をながめているだけで、声をかけることもできません。ある日、ジェニーはティンカーの手作りスケートぐつをはき、凍(こお)った池でスケートをはじめました。その様子に感激(かんげき)したクラブの仲間は、ジェニーをクラブの会員として迎(むか)え入れてくれたのでした・・・。黒ネコのジェニーのお話は全部で三冊ありますので、読んでみてください。

  • 『珍獣病院 ちっぽけだけど同じ命』
    (田向健一著、講談社) 掲載:『岐阜新聞』2012.9

    獣医(じゅうい)の世界での「珍獣」とは犬や猫以外、例えばウサギ、金魚、カメなどを言います。この本を書いた田向さんの動物病院には、全国から100種類をこえる動物が運ばれます。初めて診察(しんさつ)する動物も少なくありません。食欲のないイグアナや、石を飲んだモリアオガエル・・・田向さんはありったけの知識と技術を使い、「常識(じょうしき)」にとらわれず、工夫して動物を救います。中には、きちんと飼えば病気にならないですんだ動物もいます。動物を飼うということは、その命を預かるということ。ペットの命についてみんなで考えてみませんか。

  • 『ペットショップはぼくにおまかせ』
    (ヒルケ・ローゼンボーム作、若松宣子訳、岡本順絵、徳間書店) 掲載:『岐阜新聞』2012.9

    動物と話ができたら、と思ったことはありませんか?この物語に登場(とうじょう)する動物たちは言葉をしゃべります。ただし、主人公ティミーの前でだけですが・・・。ティミーはドイツのある町に住む男の子。金魚のえさを買いにペットショップに行くと、オウムとカメが話しかけてきました!ティミーに一週間ほど店番をしてほしいと言うのです。お店には人間のお客だけでなく、動物もやってきます。ティミーはどうやって彼らの悩(なや)みを解決(かいけつ)するのでしょうか。ティミーといっしょにわくわく体験をしてみましょう。

  • 『シーラカンスとぼくらの冒険』
    (歌代朔作、町田尚子絵、あかね書房) 掲載:『岐阜新聞』2012.8

    地下鉄のホームでシーラカンスに出会い、一緒に地下鉄に乗るという不思議な体験をしたマコト。親友のアキラとシーラカンスについて調べていくと、「陸(りく)シーラカンス」と呼ばれ、地下鉄に長年棲(す)みついていることを知ります。しかも、人間の言葉を話すことができるのです。 シーラカンスとすっかり仲良くなった二人は、シーラカンスを水族館やプラネタリウムへ連れて行こうとしますが・・・。マコトとアキラに出会ったことで、シーラカンスの中に眠っていた冒険(ぼうけん)心(しん)が目覚めていきます。

  • 『小さなバイキングビッケ』
    (ルーネル・ヨンソン作、エーヴェット・カールソン絵、石渡利康訳、評論社) 掲載:『岐阜新聞』2012. 7

    バイキングの子どものビッケは、力が弱く、戦うことは嫌いですが、とてもかしこい男の子。ある日、フラーケ地方の族長である父親が率いるバイキング遠征(えんせい)についていくことになりました。最初に訪れた国では、敵(てき)の罠(わな)にはまり捕(つか)まってしまいます。しかし、ビッケはある生き物を使って仲間を助け出し、財宝まで手にするのです。様々なピンチも、知恵を働かせて乗り越えていくビッケの魅力(みりょく)がつまったお話です。ビッケのシリーズは全部で六冊ありますので、他のお話も読んでみてください。

  • 『走れ!マスワラ』
    (グザヴィエ=ローラン・プティ著、浜辺貴絵訳、PHP研究所) 掲載:『岐阜新聞』2012.6

    舞台(ぶたい)はアフリカの小さな村。熱風がふき、砂嵐(すなあらし)が起こり、夜はジャッカルの遠吠(とおぼ)えが聞こえます。ここに家族とくらすシサンダは九歳(さい)の女の子です。シサンダには心臓に重い病気があり、友だちと自由に遊ぶこともできません。手術(しゅじゅつ)をするにはたくさんのお金が必要です。ある日、風に飛ばされてきた新聞にマラソン大会の記事が。それを見たお母さんのマスワラは、シサンダの病気を治すためにある決意(けつい)をします。この物語には実在(じつざい)のモデルがいます。ピンチを乗りこえて走るマスワラを村の人たちとともに応援(おうえん)したくなる一冊です。

  • 『また おいで』
    (もりやまみやこさく、いしいつとむ画、あかね書房) 掲載:『岐阜新聞』2012.6

    ある日、キツネの子が公園へ遊びに行くと、ウサギの子に出会いました。どうやらお父さんとはぐれてしまったようです。 キツネの子は、なんとかなぐさめようとしますが、ウサギの子の心ぼそい気持ちはどんどん大きくなってしまいます。そこでキツネの子は・・・。この本の作者もりやまみやこさんは、この他にも『こうさぎのあいうえお』(小峰書店)や『ドレミファ・ドーナツふきならせ』(フレーベル館)など動物たちが登場(とうじょう)する物語をたくさん書いています。みなさんの学校の図書館にもあるかもしれませんよ。

  • 『11号室のひみつ』
    (ヘザー・ダイヤー作、ピーター・ベイリー絵、相良倫子訳、小峰書店) 掲載:『岐阜新聞』2012.5

    トビーは、赤ちゃんの時ホテルの空き部屋で発見され、それ以来ホテルの下働きをしています。ある日、飛ばされた洗濯物を探していると、エリザという名の人魚に出会います。エリザの家族から黄金の指輪をもらいますが、その指輪は公爵(こうしゃく)のものだと分かり、ホテルは大騒(おおさわ)ぎになります。公爵(こうしゃく)の宝を探す人が押し寄せ、エリザの隠れ家が見つかってしまうのではと心配するトビーは、ある作戦を考えますが・・・。トビーの行動が、ホテルの今後を大きく変えるできごとへとつながっていきます。

  • 『トモダチックリの守り人』
    (吉冨多美作、長田恵子装画、金の星社) 掲載:『岐阜新聞』2012. 5

    小学四年生のタケルは、「カンケーない」が口ぐせで、面倒(めんどう)なことは避(さ)けてばかり。夏休みに母親の生まれ育った村へ行くことになり、そこで母親の親友の娘の野音(のん)と出会います。二人で森へ出かけることになりますが、森の中では不思議なことが起こります。最初は怖(こわ)がっていたタケルも、自然を見て、聞いて、感じることの大切さを知り、野音(のん)との友情を深めていきます。森での体験が、クラスメートと向き合うことを避(さ)けてきたタケルを、大きく成長させていきます。

  • 『オガサワラオオコウモリ 森をつくる』
    (有川美紀子、鈴木創文・写真、小峰書店) 掲載:『岐阜新聞』2012.4

    自然の世界には、たくさんの生きものがくらしています。それらはおたがいに、いろいろな形でつながり合い、支え合っています。オガサワラオオコウモリをはじめ、大昔から独自に進化した生きものたちが住む小笠原(おがさわら)諸島(しょとう)は、昨年世界(せかい)自然(しぜん)遺産(いさん)に登録(とうろく)されました。人間がこの島に移り住んだことによって、コウモリたちのくらしはどのように変わったのでしょうか。命がつながり合った豊かな自然を次の世代(せだい)へ残していくために、私たちにできることを考えてみませんか。

  • 『ふしぎなまちのかおさがし』
    (阪東勲著、岩崎書店) 掲載:『岐阜新聞』2012.2

    犬のダックは「まちのかお」を見つけるのが得意(とくい)です。ある日、サムくんはダックといっしょに「まちのかおさがし」に出かけました。町には「かお」がいっぱい。まんまるがおに目が二つのマンホールや、おばけのかおに見える電信柱(でんしんばしら)、空を見上げれば、ダックのよこがおにそっくりな雲がうかんでいます。この本はそんな「まちのかお」を集めて、写真で紹介(しょうかい)しています。公園で、学校へ行く途中(とちゅう)で、家の庭で・・・あなたのまわりにもいろいろなかおがかくれていますよ。

平成23(2011)年

  • 『飛べ!「はやぶさ」小惑星探査機60億キロ奇跡の大冒険』
    (松浦晋也文、学研教育出版) 掲載:『岐阜新聞』2011.12

    みなさんは、流れ星を見たことがありますか?流れ星は小惑星(しょうわくせい)や彗星(すいせい)のかけらです。時々地上に落ちてくるかけらは、小さくても太陽系の始まりを研究するための大きな手がかりとなります。小惑星探査機(たんさき)「はやぶさ」は、地球から直接小惑星へその手がかりを取りに行き、七年後に地球へ帰りました。「はやぶさ」は、技術を開発する人、設計する人、部品を作る人や組み立てる人など、たくさんの人の夢をのせて宇宙を旅しました。高い空、その先に広がる大きな宇宙。そこに私たちの将来の可能性が無限に広がっていることを実感できる一冊です。

  • 『アーベルチェの冒険』
    (アニー・M・G・シュミット作、西村由美訳、岩波書店) 掲載:『岐阜新聞』2011.12

    オランダのミデルムという小さな町で暮らす少年アーベルチェは、新しくできたデパートのエレベーターボーイとして働くことになりました。開店の日、エレベーターに「ただついているだけ」の不思議なボタンを押してしまったアーベルチェ。三人の客を乗せたまま、エレベーターはデパートの屋根を突き破って空へ飛び出しました! 空飛ぶエレベーターで 世界中を旅する四人は革命にまきこまれたり、思いがけない出会いがあったり・・・どきどき、わくわくがいっぱいの冒険物語です。

  • 『ノースウッズの森で』
    (大竹英洋文・写真、福音館書店) 掲載:『岐阜新聞』2011.9

    ノースウッズは、ミンティたちが過ごした森よりもさらに北にあります。カナダの湖水(こすい)地方に広がる森と湖の世界です。この本の作者はノースウッズを中心に活動している写真家です。森に入って、けもの道を歩いていくと、そこは生きものの気配(けはい)に満ちみちていました。秋には、カナダガンという渡り鳥(わたりどり)の群れが南へ渡る姿が見られます。また、メープルの赤やシラカバの黄、オークの茶、モミの緑など、森はたくさんの色にそまります。
    昔から変わらない、大きな自然の営(いとな)みと人間とのつながりを感じることができる一冊です。

  • 『ミンティたちの森のかくれ家』
    (キャロル・ライリー・ブリンク著、谷口由美子訳、中村悦子絵、文溪堂) 掲載:『岐阜新聞』2011.9

    一九三〇年秋、ミンティと妹エッグスは、仕事を失ったパパとともに、町を出て伯母(おば)さんのところへ向かっていました。その途中(とちゅう)、森の中にひっそりとたつ家を発見します。どうやら誰かの夏の別荘(べっそう)のようです。車が故障(こしょう)して困っていたミンティたちは、この家でひと冬こっそり住まわせてもらうことに・・・。舞台はアメリカ合衆国の中北部にあるウィスコンシン州。森にさしこむ光、湖面のさざなみや、紅葉した木々。豊かできびしい自然の中での、ミンティたちの暮らしと、思いがけない出会いをいきいきと描いています。

  • 『犬どろぼう完全計画』
    (バーバラ・オコーナー作、三辺律子訳、かみやしん絵、文溪堂) 掲載:『岐阜新聞』2011.7

    主人公ジョージナはアメリカのノースカロライナ州で、母と弟との三人暮らし。訳(わけ)あって今は車の中で生活しています。不便(ふべん)な生活から抜(ぬ)け出(だ)すために、ジョージナはある計画を思いつきます。それは「犬をぬすむ」こと。はたして、家族みんなでゆっくり眠れるもとのくらしにもどることができるのでしょうか。自分のしたことに悩むジョージナは、放浪生活をしているムーキーと出会います。「うしろに残した跡(あと)のほうが、前にのびてる道より大切なときもある」という彼のことばの意味を、主人公と一緒に考えてみませんか?

  • 『ホスピタルクラウン・Kちゃんが行く 笑って病気をぶっとばせ!』
    (あんずゆき文、佼成出版社) 掲載:『岐阜新聞』2011.7

    「こんにちは。入っていいですか。」病室の入口から、目をくりくりさせた、にこにこ顔のホスピタルクラウン・Kちゃんがそっと声をかけます。赤い鼻に、オレンジ色の服、トレードマークのちょんまげ・・・そんなKちゃんの登場(とうじょう)に、病室の子どもたちはびっくり! 「ホスピタル」は病院、「クラウン」はピエロのような道化師(どうけし)のこと。Kちゃんは、病院をおとずれて、患者(かんじゃ)に笑いをとどけています。Kちゃんが来ると、病気と闘う(たたか)子どもたちや家族、看護師(かんごし)さんたちの顔にも自然と笑顔がこぼれます。笑いと元気を運ぶ、Kちゃんの活躍を描きます。

  • 『ヤマトシジミの食卓』
    (吉田道子作、大野八生画、くもん出版) 掲載:『岐阜新聞』2011.6

    小学三年生のかんこは、空き地で出会った風助(ふうすけ)と名乗るおじいさんを家まで連れて行き、そのまま家族のように暮らし始めます。風助さんはかんこが落ち込んでいると励(はげ)ましてくれたり、チョウのヤマトシジミやカワウソのことなどを教えてくれたりします。しかし、時々どこかへ出かけて行ってはしばらく戻ってきません。四年生の夏休み、かんこは友達のかおと、なかなか戻ってこない風助さんを探しに出かけますが・・・。かんこと風助さんとの間に生まれた不思議なきずなを描いた作品です。

  • 『アリクイにおまかせ』
    (竹下文子作、堀川波絵、小峰書店) 掲載:『岐阜新聞』2011.6

    片付けの苦手なココちゃんは、毎日お母さんに怒られてばかり。日曜日、一人でお留守番(るすばん)をしていたココちゃんのところに「アリクイかたづけサービスしゃ」の三びきのアリクイがやってきました。あっという間にココちゃんの部屋はきれいになり、お母さんはココちゃんが片付けたと思って大喜びです。また部屋がちらかってしまったココちゃんは、自分で「アリクイかたづけサービスしゃ」に片づけをお願いしますが・・・。部屋の片づけをしたくなってしまうような楽しいお話です。

  • 『みんながそろう日 モロッコの風のなかで』
    (ヨーケ・ファン・レーウェン他作、野坂悦子訳、鈴木出版) 掲載:『岐阜新聞』2011.5

    モロッコという国を知っていますか?アフリカ大陸の北西にあり、アフリカからヨーロッパへの「玄関(げんかん)口(ぐち)」ともよばれています。モロッコの都市カサブランカに住む主人公ジマが十一歳のある日、学生(がくせい)運動(うんどう)をしていたアムラ兄さんが捕(と)らえられ、やがて、二番目の兄メディも・・・。季節の行事には家族そろってお祝いをし、誰かの帰りが遅いと皆で心配する・・・国は異なっても家族を思う気持ちは同じです。支えあって暮らす家族の約十年間を、ジマの目をとおして描きます。

  • 『ぼくの羊をさがして』
    (ヴァレリー・ハブズ著、片岡しのぶ訳、あすなろ書房) 掲載:『岐阜新聞』2011.4

    「ぼく」は牧羊(ぼくよう)犬(けん)のボーダーコリー。カリフォルニアのボブさんの牧場でくらしています。大人の犬たちと羊を追う仕事を始めたばかりの「ぼく」は自分が何かの役に立っていることがうれしくて仕方がありません。ところがある日、牧場が火事になって・・・。みんなと別れて長い放浪(ほうろう)の旅に出る主人公。その途中にはうれしい出会いもあれば、つらい出来事もありました。「生きる目的」をもう一度見つけよう、生きていく上で大事なことって何だろうと、考えながら前へ進んでいく主人公の心の成長を描きます。

  • 『ネコのドクター 小麦島(こむぎしま)の冒険』
    (南部和也著、福音館書店) 掲載:『岐阜新聞』2011.4

    ジョンは人類(じんるい)学者(がくしゃ)ポート博士の家に住むネコ。博士の助手(じょしゅ)をするうちにすっかり物知りネコになりました。ある日、ジョンの住む町にふしぎなことが起こりました。町の人たちがだんだん「ゆっくり」になっているのです。その原因はパン屋のガトウィックさんがつくるパンにあるようです。謎を確かめるために、ジョンは小麦粉がとれる「フラワー島」へ向かいます。自然が創り出した森と、人が作った畑、人と暮らす動物など、自然との共存・調和をテーマにしたファンタジーです。

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